紹興酒入門

何からできている?紹興酒の原料について中国酒専門の元店長が解説!

※2020年7月15日更新

紹興酒って、何からできているか、知っていますか?

今回は、あまり知られていない紹興酒の原料について解説していきます。

何からできているのか、そしてその原料がどんなものなのかを知ることで、紹興酒の世界はより楽しくなるはずです。なるべくわかりやすく解説していきますのでご参考になれば幸いです!

この記事を書く「八-Hachi-」の紹介

中華郷土料理店にて9年勤務。そのうち4年間は黄酒・白酒の通販専門店の運営を兼任。現地紹興へも行き、酒蔵訪問などもしました。

元々紹興酒は苦手だったものの、仕事を通じて段々と好きになり、今ではひとりで町中華などをぶらりとしながら紹興酒をちびちびと呑むのが夜の楽しみです!

この記事でわかること

紹興酒とは何からできているのか?最も基本となる紹興酒の原料について理解することができます。

紹興酒の原料は全部で6つ!

紹興酒の原料①鑒湖水(かんこすい)


名水あるところに名酒あり、というのは中国も同様で、紹興酒の産地である紹興は「東洋のベニス」とも言われる水源豊かな都市です。

その中でも発酵を盛んにするといわれているミネラルが豊富な会稽山脈を水源とした36の水流の総称「鑒湖(かんこ)」の水を用いなければならないと国の基準で定められています。

これは紹興にある「黄酒博物館」で教わったことですが、鑒湖は特定の湖と思われていますが実はそうではありません。日本の認識との大きな違いだと思います。

鑒湖系の水は硬度が低く、やわらかな酒を造るのに適しているともいわれ、紹興酒のふくよかで多彩な味わいの源ともいえるでしょう。

紹興酒の原料②もち米

日本酒はお米(うるち米)から作られるのに対して、紹興酒は、もち米から作られています。

うるち米と、もち米の違いは、粘度です。お米のモチモチとした感じの元は「アミロペクチン」です。うるち米はアミロペクチン以外に「アミロース」が20%含まれているのに対し、もち米はアミロースは含まれず、アミロペクチンからできています。なので大変もちもちと粘度が高いのです。

産地については、全て紹興原産のものかというとそうではありません。近隣の省からも仕入れて使用しています。規定された国家基準の等級を超え、粘性が強いものが使用されているようです。

最近の傾向としてはオーガニック(有機栽培)や無農薬で作られた糯米を使用している紹興酒も出てきています。このあたりも発展していくと新しい紹興酒が生まれていくと思いますし、非常に楽しみな動きです。

紹興酒の原料③麦麹(麦曲)

日本酒の麹はお米から作りますが、紹興酒は麦から作られます。中国の麹は「曲(きょく)」といいます。麦曲は他地方の黄酒でもよく使われている一般的な麹といえます。

繁殖しているのはクモノスカビや毛カビで、日本以外のアジアでは一般的な存在です。米麹の黄麹菌が米の外側に生えていくのに対して、麦の中へと菌糸を伸ばし、まるでレンガのように硬くなっていくのが特徴です。

製法は下記の通りです。

  1. 小麦を砕いて水を投入。かき混ぜる
  2. 長方形の木枠で踏むなどして固める
  3. 成形したものを稲のわらで包む
  4. 麹室で約1ヶ月ほど発酵させて完成

紹興酒の原料④漿水(しょうすい)

糯米を蒸す前に水に浸すのですが、そのときに長時間漬けて乳酸発酵をさせます。その水は漿水(しょうすい)といって、仕込み水として使用します。

漿水(しょうすい)を使用する目的は2つ。

・醪(酒母)の腐敗防止
・酵母の増殖促進

実はこの製法、以前は日本酒でも見られ、現在の生酛造り・山廃の基礎になったとも言われています。今、日本酒の多くは乳酸は添加されることがほとんどですが、かつては紹興酒同様に自然の力を借りて乳酸菌を育んでいたのです。

紹興酒の原料⑤酒薬(しゅやく)

酒薬(しゅやく)とは、紹興酒造りにおいて非常に重要な役割を果たす糖化発酵剤です。別名で、白薬、小曲、酒餅、とも言います。

紹興酒の醪ともいえる「淋飯酒(りんぱんしゅ)」の発酵に使用します。一次発酵で活躍する麹でもあり、酵母でもあるという、特殊な役割をもちます。

かつては白・黒の2種類が存在しましたが、今は白薬が主に利用されているようです。

酒薬の製法は下記の通りです。

  1. うるち米とヤナギ蓼の粉末水で混ぜて練り、平たい餅状にする
  2. 古い酒薬の粉末をまぶして、麹室で約4週間寝かせる
  3. クモノスカビ、毛カビ、その地にいる酵母菌が繁殖
  4. 完成

紹興酒の原料⑥カラメル

紹興酒にほぼ投入されているにも関わらず、正式な情報はあまり見当たりません。味付けというよりは色味付の意味合いが強い、と酒蔵さんから聞いたことがあります。後日まとめます。

紹興酒の原料についてまとめ

実は紹興酒は日本酒と製法も似ていて、そのルーツという説もあるぐらいです。

独特な味わいに「まずい!」「苦手!」という人や、あまり馴染みのない人も多いかと思います。ただ、身近な日本酒との関わりを知ると、親近感が湧いてきませんか?

まずは家で餃子や麻婆豆腐、エビチリなど身近な中華料理を楽しむときなどにぜひ試してみてほしいです。苦手な人は飲み方を工夫すると楽しめるお酒に変わるかもしれません。いずれここでもさまざまな飲み方を紹介できればと思います。

原料だけでなく、紹興酒全般について知りたいという方はこちらもご参照ください!

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