紹興酒入門

ザラメ入り紹興酒は邪道??各諸説のまとめと元専門店長がザラメ好きにおすすめする銘柄3種!

※2020年7月12日更新

紹興酒のザラメ論争を大まかにまとめてみた

 

「紹興酒といえばザラメ入れるでしょ!」

「ザラメいれるなんで邪道だよ。酒はそのまま飲むものだよ!」

 

紹興酒を飲むとき、ザラメを入れる人は少なくありません。このザラメについては長年論争があります。諸説あるのですが大きくまとめると下記の2つに集約されます。

 

紹興酒のザラメ論争
  1. かつて紹興など中国で「口に合わない場合、こちらを入れてください」という意味で添えられていた
  2. 日本に最初に広まった台湾紹興酒の味がキツく、それを緩和するためにザラメを使用し始めた

 

ただ、これ、根拠がありません。どれも、「誰かから聞いた話」なのです。なので、真相は闇の中だと思います。「日本の飲み方だよ!」という中国人がいれば、「中国本場でもこの飲み方がされていた」という日本人もいます。

ここではこの真相を突き詰めるのではなく、黄酒専門店で働いてきた自分なりの見解と、ザラメ入れるのが好きな人用の紹興酒や黄酒をおすすめしていきます。

 

紹興酒にザラメは「アリ」!その理由について解説します

僕の結論は「アリ」です。なぜなら、お酒は基本的にその人が楽しめればそれでいい、というスタンスだからです。

他のお酒でも、ウイスキーはハイボールを入れたり、ワインはフルーツを入れてサングリアにしたり、とさまざま飲み方があります。「ザラメは調味料だから別では?」という意見がありそうですが、日本酒を升で飲むときに、塩を少しつけて飲む人を見たことがあります。紹興酒だけナシ、邪道、と決めつけてしまうのはいかがなものかな?と思っています。

そして、中国郷土料理店に9年在籍し、目の前でザラメを入れながら紹興酒を楽しむ人たちを目の当たりにしてきました。酒で楽しむことこそ、人が酒を飲む理由のひとつだと思っているのでザラメを入れること自体、僕は反対しません。

 

それでも自分ではザラメを入れない2つの理由

でも、自分ではしません。理由は2つ。それについて解説します。

僕が紹興酒にザラメを入れない理由
  1. 紹興酒そのままの味を楽しみたい
  2. めんどうくさいから(笑)

 

ザラメを入れればその銘柄本来の味から変わるのは当然ですね。僕はその銘柄の味を楽しみたい派です。「ああ、黄中皇のこんな感じが好きだなぁ」「関帝ってこういう特徴があるんだなぁ」・・・同じ酒などありません。紹興酒っていってもさまざまな味わいのものがあります。

また、ザラメを溶かすには燗にした方がいいし、混ぜる手間がめんどうです。それならそのまま呑んでおいしいお酒を選んだ方が手っ取り早いですよね。干し梅ならまだそこまで混ぜなくても置いておけば味が出てくるので、干し梅の方がまだいいです。でもこれも結局全部、干し梅の味になってしまうので、あまりやりません。美味しいんですけどね。

造り手に失礼なのではないか?という考えもあるかもしれません。これに対しては過去、日本酒酒蔵へ行ったときに答えが出てすっきりしました。

 

日本酒酒蔵が教えてくれた造り手の気持ち

神奈川県某所にある酒蔵へ見学に行ったときのこと。説明をしてくれたその蔵の社員さんが、みなで試飲しているときにぽつりと話したことに驚きました。とても記憶に残っています。

「昨晩は日本酒をソーダ割りにしてみました。」

これも酒蔵さんによっては賛否両論ありそうです。でも造り手側でも楽しむ人がいるという事実、現実を目の当たりにしたとき、紹興酒も飲む側の楽しみとして自由にしていいのだなと思ったのです。

ただ、ザラメを使うときは熱燗にしないと溶けづらいし、混ぜるのが面倒だし、身体に悪いと思うんです。(紹興酒には元々カラメルが入っている)なので、ダメとは思いませんが僕はしません。でも、好きな人はすればいいのです。結局は個人の自由です。酒は各々が好きなように楽しめばいいのです。

 

ザラメを入れるのが好きな人におすすめの紹興酒・黄酒3種

ザラメを入れるのが好きな人は、「濃厚で甘口の味が好き」ということでもあると思います。中華料理店で数多くお酒をおすすめしてきましたが、「甘い酒はあまり好きじゃない」という人も、意外と飲むと「おいしい!」という人って少なくありません。

紹興酒の中でも作り方によっては濃厚なタイプがあります。また、中国の地方によってはポートワインのようにふくよかでまろやかな味わいの黄酒もあります。ザラメを入れるのが好き、という人はそういうお酒を選んでみるのがおすすめです。混ぜる手間もありませんし、お酒本来の味が楽しめます。

今回はザラメ入り紹興酒が好きな人におすすめの黄酒を3種、選んでみました!

おすすめ①『沉缸酒 缸缸好型』(チェンガンジョウ ガンガンハオ)

福建省の伝統的な黄酒「沉缸酒」の現代版。どこか親しみのあるふくよかで優しい甘味。それでいて後味がスッキリ。紅麹に加えて数種にわたる薬膳を使用した秘伝の“薬麹”も使用。“甘い”のひと言で終わらせられない多彩な香りと味わいが楽しめます。ボトルごと冷やして冷酒として楽しみたい黄酒です。僕が好きな黄酒のベスト3には入ります。

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おすすめ②『即墨老酒清爽型』(ジーモウラオジョウ)

北方を代表するカラメル無添加の青島黄酒。原料はお米の他、クコや蜂蜜を使用して優しく丸みのある味わい。軽やかな甘味はザラメ紹興酒が好きな方はきっと気に入っていただけるはずです。夏など熱いときは冷やして楽しみたいですね。海鮮料理や塩味の炒め物など相性が抜群です。

おすすめ②『古越龍山 善醸仕込み』(こえつりゅうざん ぜんじょうじこみ)

紹興酒はさまざまな製法により4つに分類されます。日本で流通する一般的な紹興酒は「加飯酒」。というかほとんどがこれです。その中で、このお酒は「善醸酒」といって、仕込み水に紹興酒を用いるという贅沢なお酒なのです。

日本酒でいえば貴醸酒に該当します。紹興酒よりも濃厚で甘口タイプ。そのままでもよし、ロックもよし、ソーダ割りで楽しむ人も多いようです。

 

ザラメ論争についてまとめ

紹興酒にザラメを入れるのはアリだと思います。でも、お酒本来の味を楽しみたいし身体にも悪そうだしめんどうなので、それをするぐらいならそのままでも十分ふくよかで甘味のある紹興酒や黄酒を楽しんだ方がおすすめ、というのが僕の結論です。もちろん、ザラメを入れることは否定しません。紹興酒はさまざまな飲み方で楽しまれているお酒です。これからもどんどん幅広く楽しんでいってほしいなと勝手ながら思います。

ちなみに紹興酒のさまざまな飲み方や、そもそも紹興酒ってどんなお酒なの?についてまとめた記事はこちらです。紹興酒について知りたい方はご覧になってみてください。

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