紹興酒入門

<中国酒専門Blog>紹興酒にザラメを入れるのは正しいか解説!ザラメ好きにおすすめ銘柄3選も

紹興酒にザラメを入れるのは正しい飲み方?おすすめ濃厚黄酒3選も!

今回は、紹興酒に「ザラメ」を入れるのが正しいのかどうか、についてまとめてみました。

紹興酒の飲み方全般について知りたい方はこちらに詳しくまとめておりますのでご参考ください。

【中国酒専門】紹興酒のいろいろな飲み方とおすすめの楽しみ方
【入門編】紹興酒の飲み方を6つに分類して紹介!おすすめの楽しみ方も<中国酒専門Blog>さまざまな飲み方で楽しまれている、紹興酒。常温やロック、カットレモンやソーダなど各飲み方の紹介の他、なぜ多様な飲み方をするのか?初心者向けのおすすめな飲み方などをまとめました。...

ここでお伝えすることは、次の通りです。

/////この記事でわかること/////
  • 紹興酒にザラメを入れる飲み方はどのように始まったのか
  • 現地中国では紹興酒にザラメを入れるのか?
  • ザラメ以外にもたくさんある紹興酒の飲み方
  • 紹興酒ザラメ論争について元中国酒専門店長の結論
  • ザラメを入れるのが好きな方におすすめの紹興酒(黄酒)3選

「お酒にザラメを入れるなんて邪道だ!」

そういう意見もあります。ただ、紹興酒はザラメを入れて楽しむ方もいらっしゃいます。常温でそのまま飲むのと、ザラメを入れるのと、どちらの飲み方が正しいのでしょうか?

中華料理店勤務、中国酒専門店運営経験がある私が、このザラメ論争について結論を出してみようと思います。

最後に紹興酒にザラメを入れるのが好きな方向けに、おすすめの黄酒銘柄を3本掲載しておりますので、お酒選びのご参考にお役立てください!

語り手紹介「don(ドン)」

都内中華料理店に10年勤務。黄酒や白酒専門の中国酒ECサイトも4年運営経験有り。飲食店向けの卸営業を経験し、日本国内の中国酒情報には詳しくなりました。紹興酒の産地へ赴き、酒蔵見学の経験も有り。

紹興酒に入れる「ザラメ」についての論争とは?

紹興酒にザラメは入れる飲み方について考えてみました。

 

日本では紹興酒にザラメを入れて楽しむ飲み方が根付いています。

これに対しての意見は賛否両論分かれます。今回はこのザラメについて元中国酒専門店長として今までの経験や酒造りに携わる方の意見、中国現地の実態などから結論を出したいと思います。

由来をめぐっては、いろんな説があります。大きくまとめると下記の2つに集約されます。

 

紹興酒のザラメ論争
  1. かつて紹興など中国で「口に合わない場合、こちらを入れてください」という意味で添えられていた
  2. 日本に最初に広まった台湾紹興酒の味がキツく、それを緩和するためにザラメを使用し始めた

 

ただ、これ、根拠がありません。どれも、「誰かから聞いた話」のようです。なので、真相は闇の中。ここを探すのはまた別の機会にするとして、まずは中華料理店や中国酒専門店で長年紹興酒に触れてきた僕なりの結論をお伝えします。

 

【補足】さまざまな飲み方で親しまれている紹興酒

紹興酒は日本酒やワインなどに比べて、幅広い飲み方で楽しまれているお酒です。どのような飲み方があるのか、一般的な方法を一覧にしました。

①常温 最もオーソドックスな飲み方。紹興酒本来の味が楽しめる。
②燗 湯煎やレンジなどでボトルや徳利を温めて飲む方法です。紹興酒は酸味が強いお酒なので温めすぎないようにするのがおすすめです。
③冷酒 冷蔵庫でボトルごと冷やすと、渋味や酸味がシャープになり、銘柄によっては非常に飲みやすくなります。
④ロック 常温の紹興酒に氷を入れて楽しむ飲み方です。飲み口が柔らかくなりますが、味が薄まってしまうのが難点です。
⑤加える(干し梅や生姜など) 常温の紹興酒に干し梅を入れたり、レモンスライスを入れる飲み方もあります。ザラメを入れるときは燗にして混ぜるようにして溶かしていくのが一般的です。
⑥割る チューハイの焼酎のように紹興酒を活用する飲み方です。ソーダやジンジャエール、コーラなど割るドリンクによってさまざまな味わいが楽しめます。

飲み方の詳細や、中国では紹興酒がどう楽しまれているかなど、より詳しく解説した記事はこちらをご参考ください!

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【結論】紹興酒にザラメを入れるのはアリ!好みです(笑)ただ・・・

紹興酒にザラメを入れるのはありだと思うことについてのイメージ写真です。

僕の結論は「アリ」です。お酒は、基本的にその人が楽しめればそれでいい、というスタンスだからです。

他のお酒でも、ウイスキーをハイボールにしたりワインはフルーツを入れてサングリアにしたり、とさまざま飲み方があります。「ザラメは調味料だから別では?」という意見がありそうですが、日本酒を升で飲むときに、塩を少しつけて飲む人を見たことがあります。紹興酒だけナシ、邪道、と決めつけてしまうのはいかがなものかな?と思っています。

そして、中国郷土料理店に9年在籍し、目の前でザラメを入れながら紹興酒を楽しむ人たちを目の当たりにしてきました。それが答えなんじゃないかなと。

酒で楽しむことこそ、人が酒を飲む理由のひとつだと思っているのでザラメを入れることに反対はしません。

 

産地である浙江省紹興市ではザラメを入れるのは普通?

紹興酒の飲み方としてザラメは入れるのかどうかを考察します。

僕自身、現地紹興へ行ったり、中華料理店での勤務や、語学レッスンなどで中国の方と交流する機会が多かったので、現地での飲み方や、聞いた話をまとめてみます。

まず、僕が中国で紹興酒を飲むときに、ザラメを出されたことはありません。ボトルとグラスだけ黙って出されることが多い(笑)

ただ、これまで出会った中国の方たちの意見は「それは日本の飲み方だよ!」という人だけでなく、「中国では紅糖(黒糖)を入れる」「中国本場でもこの飲み方するよ」という話も聞いたことがあります。

日本酒やウイスキーもまだ世に出回っていないような飲み方で楽しんでいる人もいると思います。だから、中国で一般的ではないにしても、その飲み方があってもおかしくはないなと思っています。

ザラメを入れる理由は「飲みやすくするため」

紹興酒にザラメを入れる飲み方の写真です。

結局、目的としては「ザラメを入れて甘めの味にして飲みやすくしている」ということは紛れもない事実です。日本酒やワイン、ビールなどではありえないこの飲み方は、紹興酒のひとつの特徴ともいえます。

紹興酒は発酵前の浸漬(米を水に漬ける)を長く行い、水を乳酸発酵させ、それを仕込みに用います。そのため、乳酸の香りが強く、日本酒にはないツンとくる風味が強く感じられます。

ツンとくる独特な風味がキツイという方は多く、ザラメを入れることでその尖りがまろやかになり、大変飲みやすくなるのです。

もし紹興酒にザラメを入れるなら熱燗にしよう

紹興酒にザラメを入れるときは熱燗にして混ぜるのがおすすめです。

「ザラメをください!」と言いながら常温で混ぜようとする方がいらっしゃいます。

そのまま溶かすのは時間もかかりますしはっきりいって手間です。好きであればよいのですが、一番はザラメを入れるときは紹興酒を熱燗にした方が溶けやすいのでおすすめです。

通常であれば、紹興酒を燗にするときは温めすぎるのはおすすめしません。元々強い酸味がさらに尖ってキツくなるからです。人肌ぐらいがちょうどよいです。

ただザラメを入れるときは熱めでも良いでしょう。ザラメを入れることで結果的に味はまろやかになりますし、混ぜている間に温度も落ち着いていくからです。

僕が紹興酒にザラメを入れない2つの理由

紹興酒にザラメを入れない理由について語る段落のイメージ写真です。

ザラメを入れる飲み方はアリとは言いつつも、自分ではそれをほとんどしません。

理由はシンプルで、2つあります。

僕が紹興酒にザラメを入れない理由
  1. 紹興酒そのままの味を楽しみたい
  2. めんどうくさいから(笑)

 

ザラメを入れればその銘柄本来の味から変わるのは当然ですね。僕はその銘柄の味を楽しみたい派です。「ああ、黄中皇のこんな感じが好きだなぁ」「塔牌ってこういう特徴があるんだなぁ」・・・同じ酒などありません。紹興酒っていってもさまざまな味わいのものがあります。

また、ザラメを溶かすには燗にした方がいいし、混ぜる手間がめんどうです。それならそのまま呑んでおいしいお酒を選んだ方が手っ取り早いですよね。干し梅ならまだそこまで混ぜなくても置いておけば味が出てくるので、干し梅の方がまだいいです。でもこれも結局全部、干し梅の味になってしまうので、あまりやりません。美味しいんですけどね。

造り手に失礼なのではないか?という考えもあるかもしれません。これに対しては過去、日本酒酒蔵へ行ったときに答えが出てすっきりしました。

 

日本酒酒蔵が教えてくれた造り手が語る”自由な酒の飲み方”

神奈川県某所にある酒蔵へ見学に行ったときのこと。説明をしてくれたその蔵の社員さんが、みなで試飲しているときにぽつりと話したことに驚きました。それがとても記憶に残っていて、お酒って自由でいいんだなと思いました。

「昨晩は日本酒をソーダ割りにしてみました。」

酒蔵さんによっては賛否両論ありそうです。でも造り手側でも楽しむ人がいるという事実、現実を目の当たりにしたとき、紹興酒も飲む側の楽しみとして自由な飲み方で楽しんでいいのだなと思ったのです。

ただ、ザラメを使うときは熱燗にしないと溶けづらいし、混ぜるのが面倒だし、身体に悪いと思うのです。(紹興酒には元々カラメルが入っている)なので、ダメとは思いませんが僕はしません。でも、好きな人はすればいいのです。結局は個人の自由です。酒は各々が好きなように楽しめばいいのです。

 

ザラメを入れるのが好きな人におすすめの紹興酒・黄酒3種

ザラメを入れるのが好きな人は、「濃厚で甘口の味が好き」ということでもあると思います。中華料理店で数多くお酒をおすすめしてきましたが、「甘い酒はあまり好きじゃない」という人も、意外と飲むと「おいしい!」という人って少なくありません。

紹興酒の中でも作り方によっては濃厚なタイプがあります。また、中国の地方によってはポートワインのようにふくよかでまろやかな味わいの黄酒もあります。ザラメを入れるのが好き、という人はそのようなお酒を選んでみるのがおすすめです。混ぜる手間もありませんし、お酒本来の味が楽しめます。

今回はザラメ入り紹興酒が好きな人におすすめの黄酒を3種、選んでみました!

おすすめ①『沉缸酒 缸缸好型』(チェンガンジョウ ガンガンハオ)

福建省の伝統的な黄酒「沉缸酒」の現代版。どこか親しみのあるふくよかで優しい甘味。それでいて後味がスッキリ。紅麹に加えて数種にわたる薬膳を使用した秘伝の“薬麹”も使用。“甘い”のひと言で終わらせられない多彩な香りと味わいが楽しめます。ボトルごと冷やして冷酒として楽しみたい黄酒です。僕が好きな黄酒のベスト3には入ります。

 

おすすめ②『即墨老酒清爽型』(ジーモウラオジョウ)

北方を代表するカラメル無添加の青島黄酒。原料はお米の他、クコや蜂蜜を使用して優しく丸みのある味わい。軽やかな甘味はザラメ紹興酒が好きな方はきっと気に入っていただけるはずです。夏など熱いときは冷やして楽しみたいですね。海鮮料理や塩味の炒め物など相性が抜群です。

 

おすすめ②『古越龍山 善醸仕込み』(こえつりゅうざん ぜんじょうじこみ)

紹興酒はさまざまな製法により4つに分類されます。日本で流通する一般的な紹興酒は「加飯酒」。というかほとんどがこれです。その中で、このお酒は「善醸酒」といって、仕込み水に紹興酒を用いるという贅沢なお酒なのです。

日本酒でいえば貴醸酒に該当します。紹興酒よりも濃厚で甘口タイプ。そのままでもよし、ロックもよし、ソーダ割りで楽しむ人も多いようです。

 

紹興酒「ザラメ論争」についてまとめ

紹興酒にザラメを入れるのはアリだと思います。でも、お酒本来の味を楽しみたいし身体にも悪そうだしめんどうなので、それをするぐらいならそのままでも十分ふくよかで甘味のある紹興酒や黄酒を楽しんだ方がおすすめ、というのが結論です。

もちろん、ザラメを入れることは否定しません。紹興酒はさまざまな飲み方で楽しまれているお酒です。これからもどんどん幅広く楽しんでいってほしいなと勝手ながら思います。

紹興酒全般についてもっと知りたい方は、こちらをご参考ください。

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