干杯!紹興酒担当のdonです。
「紹興酒ってどんな飲み方が一番おいしいの?」
紹興酒は、常温だけでなく、ロックやソーダ割などさまざまな飲み方で楽しまれているお酒です。
今回はそんな紹興酒の飲み方を7つ紹介します。この記事を読めばより紹興酒が楽しめるようになるでしょう。最後に初心者の方向けにおすすめの紹興酒銘柄と飲み方も紹介しておりますので、ぜひご参考ください!
- 紹興酒の代表的な飲み方
- 紹興酒がさまざまな飲み方で楽しまれている理由
- 初心者におすすめの紹興酒銘柄と飲み方
中華郷土料理店に10年勤務。日本唯一の黄酒専門店を4年運営。紹興酒の酒蔵へ現地訪問したり、中国酒関連の書籍を読み情報を収集。中国酒専門blog「八-Hachi-」やYouTube「毎天干杯!」で中国酒情報を発信している。
Contents
なぜ紹興酒は様々な飲み方で楽しまれているのか?

紹興酒の代表的な飲み方は、以下の7つに分類できます。
- 常温
- 熱燗
- 冷やす(冷酒)
- 冷やす(ロック)
- 加える
- 割る
- 作る
ワインや日本酒などの醸造酒は、基本的には常温もしくは熱燗、冷酒などで楽しまれているのが一般的です。
紹興酒はなぜこんなにもさまざまな飲み方で楽しまれているのでしょうか?
このテーマについて中国酒に10年携わってきた自分なりに考えてみた結果、考えられる点は3つあります。
理由①独特な風味だからこそ生まれた工夫
紹興酒の味わいは独特な風味があり、「苦手!」という人は少なくありません。
そこで僕が考える理由の一つ目は、「紹興酒飲みづらいな」と感じる人が多かったことでさまざまな飲み方が生まれたのではないかということです。
元々ウイスキーをハイボールにしたり、焼酎をサワーで楽しんだりなど、工夫をしながら酒を楽しむ文化が日本にはあります。
紹興酒も例外ではなく、「より飲みやすくするにはどうしたらいいのだろう?」と考えられた結果、さまざまな飲み方が生まれたのではないでしょうか。
理由②長期熟成する紹興酒ならではの”厚み”
紹興酒は他の醸造酒と比較して味が濃厚で、個性溢れる風味が特徴です。
発酵や熟成期間が長いことで、深みのある個性的な味わいを生んでいます。
そのせいか、ソーダで割ったり、フルーツを加えたりしても、紹興酒の個性は消えることがありません。むしろ新しい一面を見せてくれます。
その厚み・個性を活かして料理の場でも活躍しています。中華料理店の料理酒はほぼ全て紹興酒です。香りや風味付け、臭み消しなどその役割は多岐にわたります。
濃醇で特徴的な味わいが、中華料理としての個性をさらに広げてくれるのです。
その③”漬け込む”中国の慣習
中国では紹興酒などの黄酒や白酒に薬膳を入れて健康酒にするなど、お酒を加工するという慣習が根付いています。
日本にその影響がどこまで受けているのかは不明ですが、中国からさまざまな文化で影響を受けているところを見ると、ゼロとは言い切れないのではないでしょうか。
現地での一般的な紹興酒の飲み方

紹興酒の産地「浙江省紹興市」は、国内黄酒生産量の約半分のシェアを誇ります。この産地で紹興酒は一般的にどのよう飲み方で楽しまれているのでしょうか?
実際に紹興へ行った経験談を元にすると、レストランなどでは紹興酒は常温で出てきます。ロックやレモン、熱燗は見たことがありません。
ただ、以前にザラメについて紹興の方に聞いてみたところ、「紹興でも黒糖を入れて飲むよ」という方もいらっしゃいました。
基本的に現地では紹興酒は常温で親しまれているお酒かもしれませんが、人によってさまざまな飲み方で楽しむのは、日本と同じなのかもしれません。
紹興酒の飲み方を7つに分類して紹介
さて、それでは先に列挙した紹興酒の飲み方を具体的に紹介していきます。
飲み方①常温

紹興酒には、他のお酒にはない独特な香りや味があります。本来の味わいを楽しみたいのなら、常温で飲むのがおすすめです。
常温で飲めばその紹興酒銘柄の特徴を掴むことができます。そうすると、その特徴に合わせた飲み方の工夫ができるようになります。
もちろん、紹興酒を常温で飲んでみて「美味しい!」と感じたならそのまま楽しみましょう。紹興酒に対する自分の好みも明確になっていくはずです。
- お酒本来の味わいを楽しみたいなら常温で!
- 常温で飲めば紹興酒の特徴が掴めて飲み方の工夫も可
飲み方②熱燗

日本酒のように紹興酒も熱燗で楽しむことができます。
ただ、紹興酒を温めるときに注意したいのは、熱くしすぎないようにすること。
紹興酒は、乳酸がたくさん含まれていて、独特な酸味を持っています。温めすぎることで、甘味や旨味よりも、酸味が鋭く際立ってしまいます。
この刺激的な味が良くて「熱々が好き!」という方もいらっしゃいますので、そういう方は熱くしても良いでしょう。
ただ、紹興酒本来のふくよかさを膨らませながら楽しみたいなら、ぬるめの燗がベストです。
- 紹興酒を温める場合は、人肌燗(38度ぐらい)がベスト!
飲み方③冷やす(冷酒)

紹興酒は、冷やすことでシャープな味わいになります。
飲んだ紹興酒が「甘味や酸味が強めで常温だと少しキツい・・・」と感じたときは、ぜひボトルごと冷やしてみてください。
その紹興酒、また違った表情を見せてくれるかもしれません。
- 冷やすことでシャープになり飲みやすくなる紹興酒もある
飲み方④冷やす(ロック)

「紹興酒はロックが好き!」という方は多いですね。
ロックという飲み方は、冷酒に近い効果が得られますが、時間が経つほど味が薄まってしまうのが難点です。
ただ、甘味が強すぎてモタッとしている味わいの紹興酒など、薄まることでおいしく飲みやすくなる紹興酒もあります。
- 氷を入れると最初は冷えて飲みやすい。ただどんどん味が薄くなる点に要注意
飲み方⑤加える
紹興酒に干し梅、生姜、レモン、ザラメなどさまざまなものを入れる飲み方もあります。
味が大きく変わり、飲みやすくなることが多いので、紹興酒が苦手な方におすすめの飲み方です。
「いつもと違った飲み方を楽しみたい!」という紹興酒ツウな方にとっても変化球としてはアリですね。
飲み方⑥割る
炭酸水、コーラ、ジンジャエールなどで紹興酒を割って楽しみます。
この飲み方は、紹興酒が苦手な方や、酒をシュワっとすっきり楽しみたい方におすすめです!
とても簡単で美味しいおすすめの割り方は「トニックソーダ」です。トニックには元々柑橘系の風味がありますし、スプライトのような甘さもあります。その味わいが、紹興酒を爽快な味にしてくれるのです。
飲み方⑦作る
上記の「割る」に近いのですが、「作る」というのは紹興酒でカクテルを作ったり、サングリアにするなどして楽しむ飲み方です。
八-Hachi-でも、紹興酒カクテルレシピを考案していこうと思っていますので、出来次第こちらにアップしていきます。乞うご期待!
【初心者向け】おすすめの紹興酒3選と飲み方を紹介!

「紹興酒を飲んだことがない」
「この間、初めて紹興酒を飲みます!」
そんな方々に向けて、おすすめの銘柄をピックアップしました。銘柄ごとにおすすめの飲み方も合わせて記載しておりますので、ぜひご参考ください!
おすすめ紹興酒❶「東方特雕」(ドンファン)

フルーティで軽やかな味わい!通常の紹興酒と明らかな違いが感じ取れます。
紹興酒の特徴であるキュッとくる乳酸や、コハク酸(貝の風味)の刺激がオブラートに包まれています。どなたでも飲みやすい紹興酒と言えるでしょう。
常温 / 冷酒 / ロック
8年物はこちらでより詳しくレポートしています!

おすすめ紹興酒❷「玉酔美液」(ユーズイ)

完熟したみかんのようにまろやかな甘みがありつつ爽快感もあり、大変親しみやすい味わいです。
ちなみにこれは、「善醸酒」(ぜんじょうしゅ)というタイプの紹興酒。日本酒で言う貴醸酒のような紹興酒です。
ただ、通販などでは見かけたことがありません。僕はいつも上野のアメ横にある地下の中華食材店「海羽」で購入しています。もっと流通してほしい紹興酒ですね。


常温 / 冷酒 / ロック / 割る(ソーダ)
おすすめ紹興酒❸「三国演義10年」

入手しやすい紹興酒銘柄からもピックアップしてみました。「三国演義」は、国内の中華料理店でよく見かける紹興酒ブランドです。
軽やかな酸味と優しい甘旨な風味が特徴。ちなみにラベルには三国志の英雄たちが描かれています。
3年には曹操、5年には孫権、10年には劉備。好きな武将で選ぶのも楽しいのではないでしょうか!
常温 / 熱燗(ぬるめ) / 冷酒 /
まとめ
さて今回は、紹興酒の飲み方を7つ紹介いたしました。
紹興酒はボディが強く、個性的な味わいだからこそ幅広い飲み方で楽しめるお酒だと言えます。
もっとユニークな飲み方はきっとあるでしょう。「紹興酒、こんな飲み方が美味しかったよ!」などあればぜひ教えてください。
「紹興酒全般についてもっと知りたい!」という方はこちらも合わせてご参考ください。

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