さて、先日、日本酒の会に参加した際、「中国酒の本ってどんなのがあるのか知りたい!」という声が多くあがりました。
というわけで今回は、中国酒の本を紹介いたします。
中国にはきっと関連書籍がたくさんあるのでしょうが、日本語で書かれた中国酒の書籍はかなり限られています。その中でも、参考になる書籍を3冊ピックアップいたしました。
中華料理店で勤務されるホールスタッフの方は、紹興酒を始め、黄酒をおすすめしたくても、詳しい情報がないため、質問されることが怖くなり、なかなかおすすめしづらいといった現状があると思います。
この本を一読すればその不安は一気に吹き飛ぶでしょう。とても有益な情報が掲載されているので、どこかで見かけた際はぜひ見てみていただきたいです!
『黄土に生まれた酒〜中国酒、その技術と歴史〜』花井四郎著(東方書店1992)
私物なもので汚くてすみません。。。表紙もあったのですが破れてなくなってしまいました。。。こんな使い古された本になってしまいましたがこの本は
日本語の中国酒書籍としては最も濃密な情報が掲載されているといっていいでしょう。
既に廃版となっているため、中古で購入するしかなく、タイミングによってはAmazonで5000円近くの値段で販売されていたり。僕は幸い定価に近い価格で購入できたのですが、今思えば奇跡。
黄酒や白酒の歴史から製法まで詳しく記載されています。化学的な見地からもしっかり分析がされています。以前、中国酒鑑定士のテキストを拝見したことがありますが、この書籍の情報が元になっているようにも思える部分が多々ありました。教科書の教科書ともいえる本。
この本の現代版があったら1万円でも購入します(笑)
『中国の酒』大谷彰著(柴田書店1974)
こちらもまた廃版の書籍。上記のお酒よりも使用している言葉が簡単でわかりやすさはこちらの方が上だと思います。
黄酒、白酒両方共に歴史や製造方法など情報はしっかり掲載されています。紹興酒でいえば、元紅酒や淋飯酒の製法なども工程が書かれていますね。
ハードカバーで古書っぽい装丁もいいですね(僕のはもうボロすぎてタイトルも消えてよくわからなくなっていますが・・・)
ただ、もう約50年前の書籍なので、あくまで参考程度としたいところですね。
中国の酒 大谷彰著(1974年)『酒の郷に酔いしれて』傅建偉著(中国出版集団2009)
日本語タイトルですが、中国で出版されている本です。以前、中国の紹興にある黄酒博物館へ行ったときに販売されていたのを見て、即買いしました。
著者の傅建偉氏は、紹興酒最大手「古越龍山」の会長で、長年黄酒造りに携わった業界の実力者です。彼が執筆した黄酒に関する文章を日本人の馬場節子さんという方が翻訳されたのですね。
傅建偉氏の幼少時代の話や、紹興酒の詳細な製造方法、ウンチク、酒にあうおつまみの話など、現地の方が話す内容は説得力抜群です。上記の本では得られないリアルな情報がてんこ盛りなので、紹興酒に興味のある方はぜひ読んでみて頂きたいですね。
難点は、でかいのでなかなか持ち運びが難しいところですね。。。
さて、いかがでしたでしょうか。さまざまな本で言うことが違ったりする点もあるので、そういうものをまとめて、整理できたらなとも思っています。確かな情報、知識を身につけて、さらに中国酒を楽しみたいですね!