干杯!中国酒探究家のdonです。
先日、紹興酒のおつまみにさまざまなチーズを合わせてみました。
チーズといえばワイン!というわけで、ビオワインも最後におまけでレポートしています。
執筆者紹介 don(門倉郷史)
日本初の中国酒ガイドブック「黄酒入門」著者。赤坂・六本木・銀座にある中国郷土料理店で約9年勤務し、黄酒専門店責任者も兼任。2020年に独立し現在は黄酒専門WEB「八-Hachi-」やYouTubeなどで中国酒情報を発信中。代々木上原の中華料理店にも在籍。
Contents
今回おつまみにしたチーズを紹介
おつまみのチーズですが、数種が一度に楽しめる詰め合わせを購入しました。
チーズの商品名
今回購入したチーズはこちら。
バラエティチーズオードブル
「5種類4ヵ国のバラエティに富んだ本場ヨーロッパ産ナチュラルチーズを食べやすい大きさにカットして詰め合わせています。開けてそのまますぐに食べられるため、アルコールのお供や気軽なホームパーティー等に最適です。人気のカマンベールは2個入りです。」
引用:株式会社東京デーリーHP
各チーズの紹介は下記の通りです。
アジアーゴ
アジアーゴは村の名前。かつては羊のミルクを原料に作られていました。
食感はパラっとしていて硬め。爽快でクリーミィなチーズです。
様々な種類のあるアジアーゴ
『アジアーゴDOP』は、イタリアを代表するチーズの1つで、イタリア北部に位置するヴェネト州とトレンチーノ・アルト・アディジェ州で作られています。アジアーゴという名前は、ここのヴェネト州ヴィチェンツァ県アジアーゴ村という村の名前に由来しています。13世紀の初め頃には、このアジアーゴ村で羊乳を原料として作られていた、羊乳のチーズ(=ペコリーノ)だったため、“ヴィチェンツァのペコリーノ”という呼び名もあったのだそう。けれども16世紀以降からは、牛乳が用いられるようなり、今に伝わっています。 アジアーゴDOPには、昔ながらに作られる「アジアーゴ・ダッレーヴォ」と、現代の流通にあわせた「アジアーゴ・プレッサート」という、2種類の異なる製法があります。アジアーゴ村では、今でも伝統的な製法でアジアーゴ・ダッレーヴォが作られています。こちらは現在の流通の主流となるアジアーゴ・プレッサートに比べて、生産量も限られているのです。
引用:世界のチーズ専門店「オーダーチーズ」
ゴーダ
コクがあって舌触りが滑らか。染み渡るように口内に味が広がり、濃厚なチーズです。
ゴーダとは
オランダを代表するチーズで、世界中で愛されていますが、日本でも親しまれています。
マイルドな味わいは、日本人の嗜好にもっともあったチーズとも言われ、そのままおつまみや軽食、サンドイッチなど、幅広い料理に利用できます。
熟成の若いものは、クリーミーでさっぱりとしていますが、熟成が進むにつれて、芳醇な香りとアミノ酸由来の旨みが増し、コクがでます。
プロセスチーズの原料にもなっています。
引用:チーズを知るAcademy| 雪印ミルク
カマンベール
日本でもよく親しまれているチーズのひとつ。外は硬め、中はふんわりと柔らかいのが特徴。
チーズフォンデュやハンバーグなど料理にも多用されていて、さまざまなシーンで使える万能チーズです。
カマンベールチーズとは
表皮が白カビに覆われ、中がやわらかい小型のチーズです。
内部はクリーム色で、熟成が進んだものはトロリとしています。大変やわらかいので、本来は丸い木箱に詰めて型崩れを防ぎます。
カマンベールは、トロリとした濃厚な味わいです。上品でクリーミーな味なので、誰にでも食べやすく人気が高いチーズです。
古来の熟成させるタイプのものは時が経つにつれ白カビのたんぱく分解によって風味が強まり、生地もトロリとなめらかになっていきます。
一方、「ロングライフタイプ」のものは、白カビによる熟成が適度な状態で包装し容器に密閉、高い温度で加熱殺菌。これにより、乳酸菌やカビなどの働きを止め、組織や風味の変化を抑えてあるので日にちが経っても熟成度が変わらず品質が安定しています。
グラナパダーノ
グラナパダーノはあまり聞きなれないかもしれませんが、粉チーズの元としてよく使われているチーズです。
パサっとした食感とマイルドな味わいが特徴です。
「グラナパダーノ」という名前は初めて聞く方も多いかもしれませんが、実はイタリアンレストランやパスタ屋さんで出てくる粉チーズが、このグラナパダーノであることが多いです。もともとは非常に硬いチーズなので、粉状にしたり、スライスしていただくことがほとんど。
料理の味を消さない、やさしい味わいが特徴で、同じくトッピングに使われることの多いパルミジャーノ・レッジャーノと比べて塩気が少なくマイルドです。
ミモレット
フランス北部を産地としたハードタイプのチーズです。オレンジ色をしていて、コクがあって食べやすいのが特徴。
熟成期間によって呼び名が変わります。
ミモレットの原産地は、フランス北部フランドル地方、ベルギーとの国境近くのノール=パ・ド・カレー地域圏の街「リール(Lille)」と言われています。
起源はルイ14世時代に遡ります。フランスは1672~1678年までオランダと戦争状態にあり、財務総監のジャン・バティスト・コルベール(Jean-Baptiste Colbert)はオランダの製品に高い関税をかけ、オランダのチーズを実質輸入禁止にしました。
それにより、当時フランスで人気だったエダム(Edam)というオランダ産チーズの供給が不足したため、フランス北部のチーズメーカーにエダムの模倣品を造らせたことが始まりと言われています。その際、オランダ産エダムと区別するために生地をオレンジに着色したと言われています。
ただし、起源については今も論争があり、オランダの「コミッシーカース(Commissie Kass)」というミモレット同様のチーズをフランスが模造したとするオランダ発祥説もあります。
チーズの購入場所
今回は成城石井で購入しました。
[blogcard url=”http://www.seijoishii.co.jp/”]
紹興酒とチーズを合わせた感想
さて、それでは紹興酒「夏之酒」と各種チーズのペアリングレポートです!
あくまで主観ですが、★の数でどれが合ったのかを表しています。
今回の紹興酒「夏之酒」
今回使用した紹興酒は「夏之酒(なつのさけ)」です。
今までの紹興酒にはない爽快感。キュッと酸味が効いてドライながら、旨味がしっかりして逞しいボディ。
チーズ(1)アジアーゴ★★★
アジアーゴと夏之酒の酸が心地よく合わさって溶けていく。最後、口の中には夏之酒の旨味が余韻として残る。
チーズ(2)ゴーダ★★★
夏之酒の旨味とゴーダのコクが合わさるものの、終わりは夏之酒のシャープな酸味が尖って広がる。これが少し気になる。
チーズ(3)カマンベール★★
マイルドな味わいのカマンベールは、酸味と旨味の強い夏之酒が若干勝る。後味でチーズの発酵臭が残る。
チーズ(4)グラナパダーノ★★
グラナパダーノをほうばると、夏之酒がまろやかで優しく感じるが後味に酸、エグみ残る。
チーズ(5)ミモレット★★★★★
爽やかな酸味と熟成感が夏之酒とピッタリ!個人的にはこれがベスト。
一緒にワインも合わせてみたので、次にそのレポートをまとめます。
おまけ:ビオワインとチーズを合わせた感想
さて、それではビオワイン「フェニーチェ」と各種チーズのペアリングレポートです!
今回のワイン「フェニーチェ」
「カ・デル・コンテ・フェニーチェ」
イタリアロンバルディア産の白ワイン。樹齢40年のシャルドネ100%。全工程でCo2不使用。
天然酵母を使って、温度調整なしという自然に任せた製法で生み出されたワインです。120日間のマセラシオンによって酒色はやや濁りのあるオレンジ色。
チーズ(1)アジアーゴ★★
硬い食感のアジアーゴが口に残る。最初はそれぞれの味が見事に合わさるが、最終的にエグみが気になる。
チーズ(2)ゴーダ★★
最初のタッチはゴーダのコクが強い。フェニーチェは爽快さからスパイシーな味わいに変化していくので、徐々に合わさっていく感じ。
チーズ(3)カマンベール★★
爽やか同士合うと思いきや、面白みに欠ける。広がりがない。最後は苦い。
チーズ(4)グラナパダーノ★★★
合わさりあうけど相殺?後味にチーズ。フェニーチェはどこへ?
チーズ(5)ミモレット★★★★★
お互いの爽快な酸味で合わさり、後半に向けて広がるフェニーチェの発酵感とミモレットの熟成感がマッチしていく。
まとめ
今回は紹興酒とチーズを合わせてみました。
紹興酒銘柄とチーズの特徴。それらを踏まえた上で、最適なものを選ぶことが大切なのだなと学びました。
今までは紹興酒にはゴーダチーズが合うと思っていましたが、夏之酒に関していえばミモレットがピッタリ!
また試したらアップします!