干杯!中国酒探究家のdonです。
日本国内で飲んだ紹興酒を始めとした黄酒を紹介しています。
26本目は「黄関 紅運(ファングァン ホンユィン)」です。
「紹興酒、気になるけど何を買っていいかわからない・・・」という方はぜひご参考ください!
▼前回のレポートはこちら
執筆者紹介 don(門倉郷史)
日本初の中国酒ガイドブック「黄酒入門」著者。赤坂・六本木・銀座にある中国郷土料理店「黒猫夜」で約9年勤務し、黄酒専門店責任者も兼任。2020年に独立し現在は黄酒専門WEB「八-Hachi-」やYouTubeなどで中国酒情報を発信中。代々木上原の中華料理店にも在籍。
Contents
『黄関 紅運』の詳細情報やメーカーについて紹介!
黄関 紅運の原料やアルコール度数、酒蔵の情報をまとめてみました!
概要
黄関 紅運は、陝西省漢中市の半甜型黄酒(セミスイート)。
米の名産地である黒龍江省の五常糯米(緑色食品認定)を原料とし、まろやかで濃醇な味わいが特徴です。
「緑色食品」とは?
中国政府が設けた一定の生産基準をクリアし、安全で健康に良いものと認定を受けた商品。
そして紹興酒とは異なる製法である露天醸造法を採用しています。
これは二次発酵を甕で約半年に渡って野外で行う製法です。
この黄酒は発酵中の糖分量が高く、メイラード反応が活発に発生します。野外で長期発酵させることでそのメイラード反応がさらに活発化し、濃醇な味わいと色味になります。
そのため、一般的に黄酒業界で着色のために使われるカラメルは、使われていません。
酒DATA
- 原料:糯米 / 麦曲
- 度数:14度
- 型:半甜型
- 産地:陝西省漢中市
▼産地の陝西省漢中市はこちら
酒蔵紹介「陝西黄官酒业」の概要
(画像引用:陝西黄官酒业HP)
1986年に設立。前身は1368年に創業された「李記酒坊」。
場所は、漢中市南鄭区南西部にある巴山の腹地である米倉山南麓、漢文化の発祥地に位置し、「小江南」と称される陝西省漢中市南鄭区黄官鎮青龍村にあります。
敷地面積は約2万平方メートル、従業員は80名以上おり、そのうち国家一級品酒師が2名、二級品酒師が2名、三級品酒師が2名います。
生産、行政、ブランド、運営の4つの管理部門を中心に20以上の課があり、2000トン以上の優良な原酒を貯蔵しています。現在、西北地区で最大の黄酒貯蔵企業です。
「ISO9001品質管理認証」と「HACCP食品管理システム認証」を取得。
会社の主力となる黄酒ブランドは「黄関」で、その他に「汉调」、「终南米仓」という2つの米香型白酒ブランドもあります。
「黄关」は「陝西省著名商標」の称号を獲得しています。
黄関 紅運の風味やおすすめの飲み方
黄関 紅運がどのような黄酒なのか、レポートをまとめました。
色
やや黒っぽいが、透明感のある焦茶色。
香り
黒糖、蜂蜜、レモン、土、枯れ葉、ナッツ
味わい
ほどよい甘味が口の中に広がり、優しい口当たり。
余韻に雑味がなく、心地よい。
こんな人におすすめ!
- 紹興酒が苦手
- 紹興酒にザラメを入れるのが好き
- 日本酒が好き
- ちょっと変わった紹興酒が飲んでみたい
おすすめの飲み方
冷酒、ロック、常温がおすすめ!
常温 | ★★★☆☆ |
---|---|
冷酒 | ★★★★★ |
ロック | ★★★★☆ |
燗 | ★★★★☆ |
ソーダ割 | ★★★☆☆ |
六味ステータス
甘 | ★★★★☆ |
---|---|
渋 | ★★☆☆☆ |
辣 | ★☆☆☆☆ |
苦 | ★★☆☆☆ |
鮮 | ★★★★☆ |
酸 | ★★★☆☆ |
合わせたい料理
- 黒酢酢豚や香港風チャーシューなど甘酸の強い肉料理
- 麻婆豆腐や水煮(四川風辛煮込)など辛い料理
黄関 紅運の購入場所
まだ一般販売されていません。一部の中華レストランで飲むことができます。
「黄関 紅運」まとめ
日本に数少ない北方黄酒「黄関 紅運」。
黒龍江の上質な糯米を原料とし、露天発酵によって濃醇な味わいや色味を実現しており、紹興酒とは異なる個性を楽しむことができる黄酒です。
今後も日本で飲める黄酒をレポートしていきます。