干杯!
中国酒探究家のdonです。
「紹興酒って
どんな飲み方が一番おいしいの?」
「家で紹興酒を飲むなら
どんな飲み方がいいの?」
今まで中国酒に携わってきた中でよく聞かれた質問です。
紹興酒は常温ストレートを基本として、ロックやソーダ割などさまざまな飲み方でも楽しまれています。
今回は、紹興酒の飲み方をテーマに、具体的な方法を7つ紹介します。
最後におすすめの紹興酒銘柄とそれぞれに合う飲み方も紹介しておりますので、ぜひご参考ください!
- 紹興酒の代表的な飲み方と応用
- 紹興酒がさまざまな飲み方で楽しまれている理由
- 初心者におすすめの銘柄と飲み方
執筆者紹介 don(門倉郷史)
日本初の中国酒ガイドブック「黄酒入門」著者。赤坂・六本木・銀座にある中国郷土料理店で約9年勤務し、黄酒専門店責任者も兼任。2020年に独立し現在は黄酒専門WEB「八-Hachi-」やYouTubeなどで中国酒情報を発信中。代々木上原の中華料理店にも在籍。
Contents
代表的な紹興酒の飲み方7選!
早速ですが、紹興酒の代表的な飲み方は下記の7つです。
- 常温
- 熱燗
- 冷酒
- ロック
- 加える
- 割る
- 作る
それぞれ詳しく解説していきます。
飲み方①常温
本来の酒の味わいを楽しみたいのなら、やはり常温(25度程度)で飲むのがおすすめです。
常温で飲むことで、その紹興酒銘柄の特徴を掴むことができます。特徴がわかれば、その銘柄に合わせた飲み方の工夫もできるようになります。
紹興酒を常温で飲んでみて「美味しい!」と感じたならそのまま楽しみましょう。
「ちょっと苦手かも・・・」と感じた場合は、これから紹介する他の飲み方を実践してみてください。
- 本来の味わいを楽しみたいなら常温(25度程度)
- 常温で飲めば紹興酒の特徴が掴めて飲み方の工夫も可
飲み方②熱燗
紹興酒も日本酒のように熱燗で楽しむことができます。
ただ紹興酒を温めるときに注意したいのは、熱くしすぎないようにすること。
温度帯でいえば、36度〜38度程度がベストです。
紹興酒は、乳酸がたくさん含まれていて、独特な酸味を持っています。温めすぎることで、甘味や旨味よりも、酸味が鋭く際立ってしまいます。
そのため、紹興酒本来のふくよかさを膨らませながら心地よい味で楽しみたいなら”ぬるめの燗”をオススメします。
- 紹興酒の熱燗は人肌燗(38度ぐらい)がベスト!
飲み方③冷酒
紹興酒は冷やすことでシャープでスッキリとした味わいになります。
飲んだ紹興酒が「甘味や酸味が強めで常温だと少しキツい・・・」と感じたときは、ボトルごと冷やしてみてください。
その紹興酒がまた違った表情を見せてくれるかもしれません。
温度帯は15度程度がおすすめです。
- シャープですっきり楽しみたいときは冷酒
- ボトルごと冷蔵庫で15度程度に冷やすのがよい
飲み方④ロック
ロックは、紹興酒に氷を入れて冷やしながら楽しむ飲み方です。
ロックという飲み方は、冷酒に近い効果が得られますが、時間が経つほど味が薄まってしまうのが難点です。
ただ、甘味が強すぎてモタッとしている味わいの紹興酒など、薄まることでおいしく飲みやすくなる紹興酒もあります。
- ロックは冷たくて飲みやすいがどんどん味が薄くなる点に要注意
飲み方⑤加える
干し梅、生姜、レモンなどを入れる飲み方もあります。
紹興酒の酸味が和らいだりスッキリして飲みやすくなることもあるので、紹興酒が苦手な方におすすめの方法です。
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- 紹興酒が苦手な人は干し梅やレモンを入れてみよう
- 紹興酒ツウな人も味の変化を楽しめる!
飲み方⑥割る
紹興酒に炭酸水などを入れて、割って楽しむ飲み方です。
よく使われるのは炭酸水、コーラ、ジンジャエールなどです。
おすすめの割り方は「トニックソーダ」です。
トニックには元々柑橘系の風味がありますし、スプライトのような甘さもあります。その味わいが、紹興酒をほどよく爽快な味にしてくれるのです。
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- 紹興酒をすっきりシュワっと楽しみたい方向け
- 割り材によっていろいろな味が楽しめる!
飲み方⑦作る
上記の「割る」に近いのですが、「作る」というのは紹興酒でカクテルを作ったり、サングリアにするなどして楽しむ飲み方です。
拙著「黄酒入門」でも紹興酒を使ったドリンクレシピをいくつか掲載しています。よかったらご参考ください!
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黄酒入門: 紹興酒をはじめ中国地酒を約120種 製法・味の特徴・ペアリングまで
中国で紹興酒はどう飲まれているのか?
紹興酒の産地「浙江省紹興市」は、国内黄酒生産量の約半分のシェアを誇ります。
その現地で紹興酒はどのような飲み方で楽しまれているのでしょうか?
実際に現地で見た紹興酒の飲み方
一般的に、レストランなどでは紹興酒は常温で出てきます。
ロックやレモン、ザラメなどは見たことがありません。
基本的に現地では紹興酒は常温で親しまれているお酒かもしれませんが、人によってさまざまな飲み方で楽しむのは、日本と同じなのかもしれません。
なぜ紹興酒はたくさんの飲み方があるのか?
ワインや日本酒などの醸造酒は、基本的には常温もしくは熱燗、冷酒などで楽しまれているのが一般的です。
なぜ紹興酒はさまざまな飲み方で楽しまれているのでしょうか?
理由①独特な風味だから生まれた工夫
紹興酒の味わいは独特な風味があり、「この味が苦手!」という人は少なくありません。
そこで僕が考える理由の一つ目は、「紹興酒飲みづらいな」と感じる人が多かったことでさまざまな飲み方が生まれたのではないかということです。
日本には元々、ウイスキーをハイボールにしたり、焼酎をサワーで楽しんだりなど、工夫をしながら酒を楽しむ文化があります。
紹興酒も例外ではなく、「より飲みやすくするにはどうしたらいいのだろう?」と考えられた結果、さまざまな飲み方が生まれたのではないでしょうか。
理由②フルボディ的なたくましさ
紹興酒は他の醸造酒と比較して味が濃厚で、個性溢れる風味が特徴です。
発酵や熟成期間が長いことで、深みのある個性的な味わいを生んでいます。
そのせいか、ソーダで割ったり、フルーツを加えたりしても、紹興酒の個性は消えることがありません。むしろ新しい一面を見せてくれます。
その厚み・個性を活かして料理の場でも活躍しています。中華料理店の料理酒はほぼ全て紹興酒です。香りや風味付け、臭み消しなどその役割は多岐にわたります。
濃醇で特徴的な味わいが、中華料理としての個性をさらに広げてくれるのです。
その③中国の”漬け込み文化”
中国では紹興酒や白酒に薬膳を入れて健康酒にするなど、お酒に何かを漬けるという慣習が根付いています。
日本にその影響がどこまであるのかは不明ですが、日本は中国からさまざまな面で影響を受けているところを見ると、この影響もゼロとは言い切れないのではないでしょうか。
おすすめ紹興酒3選と合う飲み方を紹介! | 初心者向け
「紹興酒を飲んだことがない」
「この間、初めて紹興酒を飲みます!」
そんな方々に向けて、おすすめの銘柄をピックアップしました。銘柄ごとにおすすめの飲み方も合わせて記載しておりますので、ぜひご参考ください!
おすすめ紹興酒❶「東方特雕」(ドンファン)
フルーティで軽やかな味わい!通常の紹興酒と明らかな違いが感じ取れます。
紹興酒の特徴であるキュッとくる乳酸や、コハク酸(貝の風味)の刺激がオブラートに包まれています。どなたでも飲みやすい紹興酒と言えるでしょう。
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常温 / 冷酒 / ロック
8年物はこちらでより詳しくレポートしています!
おすすめ紹興酒❷「玉酔美液」(ユーズイ)
完熟したみかんのようにまろやかな甘みがありつつ爽快感もあり、大変親しみやすい味わいです。
ちなみにこれは、「善醸酒」(ぜんじょうしゅ)というタイプの紹興酒。日本酒で言う貴醸酒のような紹興酒です。
ただ、通販などでは見かけたことがありません。僕はいつも上野のアメ横にある地下の中華食材店「海羽」で購入しています。もっと流通してほしい紹興酒ですね。
常温 / 冷酒 / ロック / 割る(ソーダ)
おすすめ紹興酒❸「三国演義10年」
入手しやすい紹興酒銘柄からもピックアップしてみました。「三国演義」は、国内の中華料理店でよく見かける紹興酒ブランドです。
軽やかな酸味と優しい甘旨な風味が特徴。ちなみにラベルには三国志の英雄たちが描かれています。
3年には曹操、5年には孫権、10年には劉備。好きな武将で選ぶのも楽しいのではないでしょうか!
常温 / 熱燗(ぬるめ) / 冷酒 /
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まとめ
さて今回は、紹興酒の飲み方を7つ紹介いたしました。
紹興酒はボディが強く、個性的な味わいだからこそ幅広い飲み方で楽しめるお酒だと言えます。
もっとユニークな飲み方はきっとあるでしょう。「紹興酒、こんな飲み方が美味しかったよ!」などあればぜひ教えてください。
「紹興酒全般についてもっと知りたい!」という方はこちらも合わせてご参考ください。